1. はじめに – 運送業界のブラック体質はもはや限界
運送業界は日本経済を支える重要なインフラですが、その現場は長年「ブラック企業問題」と向き合っています。
長時間労働、低賃金、人手不足、コンプライアンス違反――これらの課題を抱えたままでは、会社の存続も危うくなります。
近年は2024年問題をはじめ、労働環境の改善が求められる時代になりました。大手企業を中心に、業務効率化や労働環境改善に取り組む動きが加速しています。
それにもかかわらず、いまだにブラック体質を引きずる企業は、今後厳しい状況に立たされるでしょう。
では、運送会社がブラック企業から脱却し、「生き残る企業」になるためには何をすべきか?
今回は、具体的な3つの対策を解説します。
2. 運送業界のブラック企業が直面するリスク
ブラックな体制を続けることには、次のような重大なリスクがあります。
1. ドライバーの大量離職
┗ 低賃金・長時間労働では人が集まらず、辞める人ばかりになる。
ただでさえ、「少子高齢化により労働人口が減少」している中、「労働条件の悪さ」「残業の上限規制」などもあり、収入の減少が心配されています。このような業界に優秀な若い人材が入ってるでしょうか?
2. 行政指導・監査対応のリスク
┗ 労働基準法違反、改善基準告示違反などで指導・処分を受ける可能性
3. 荷主からの取引停止・信用低下
┗ 過労運転や違反が発覚すると、取引先から敬遠される
このように、ブラック体質を放置することは、会社の経営を揺るがす大問題になりかねません。信用の低下は今後、契約内容の見直しや運賃交渉にも大きな影響があることは間違いありません。
では、具体的にどのように改善すればいいのでしょうか?
3. 運送会社が取るべき3つの対策
① 労働環境の改善(長時間労働の是正)
「ドライバーは長時間働いて当たり前」 という考えはもう通用しません。
労働時間の適正化を行わなければ、優秀な人材はどんどん離れていきます。
✅ 対策のポイント
• デジタコ・運行管理システムを活用し、労働時間を適正に管理
• 拘束時間の見直し(運行スケジュールの再設計)
• 運行管理者の役割強化(適正な配車計画を組む)
これらの施策を行うことで、無駄な待機時間・長時間労働を削減し、効率の良い運営が可能になります。
② 適正な給与体系の導入
ドライバーの賃金は、**「歩合制のみ」「固定給が低い」**といったケースが多く見られます。
しかし、これでは 「稼げる人と稼げない人の格差が大きく、不安定な職業」 という印象が強まり、人材確保が難しくなります。
✅ 対策のポイント
• 固定給+歩合制のバランスを見直し、安定した給与体系を導入
• 労働時間に応じた適正な残業代を支給
• 福利厚生の充実(退職金制度・健康診断の実施など)
給与の安定性が向上すれば、ドライバーの定着率も上がり、人手不足の解消につながるでしょう。
③ コンプライアンスの徹底(法令順守)
ブラック企業の特徴として、「とりあえず法令は後回し」という意識の低さが挙げられます。
しかし、行政の監査が厳しくなる中、コンプライアンスを無視する経営はもはや通用しません。
✅ 対策のポイント
• 運行管理者を中心に、適正な労務管理を行う
• 改善基準告示を遵守し、違反しない運行スケジュールを組む
• 車両整備・点検を徹底し、安全対策を強化する
「コンプライアンスを守る会社」ほど、荷主や取引先からの信頼も厚くなり、経営の安定につながります。
4. まとめ – ブラック体質から脱却し、持続可能な企業へ
運送業界は今、変革の時代に突入しています。
ブラックな働き方を続ける企業は淘汰され、適正な労務管理を行う企業が生き残る時代です。
✅ 運送会社が今すぐやるべきこと
1. 労働環境の改善(長時間労働の是正)
2. 適正な給与体系の導入(ドライバーの待遇改善)
3. コンプライアンスの徹底(法令順守)
これらの対策を進めることで、会社の成長とともに、従業員の満足度向上・人手不足の解消につながります。
「ブラック企業のままでは生き残れない」――あなたの会社は、この変化に対応できていますか?
もし、どこから手をつけるべきか分からない場合は、行政書士として運送業の許認可・労務管理のアドバイスを行っています。
お気軽にご相談ください。
MATSUMOTO行政書士事務所
松本和也

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