【2025年5月1日施行】事業計画の遵守強化!


2025年5月1日より、貨物運送自動車運送事業法が改正されたことはご存じだと思います。今回の法改正の中の一つに「事業計画の遵守強化」について解説していきます。事業計画は運送事業者が安全課かつ効率的な運営を行うための根幹となるものです。その内容を適切に遵守できていない場合に行政処分の対象となる可能性がありますので、よく理解しておきましょう。
今回の法改正で特に重要なのが、貨物事業者運送事業法第8条第2項に基づく「事業計画に従い業務を行うべき命令」の発動基準が明確化されたことです。これは、国土交通省が事業計画の内容を遵守していない事業者に対し、是正を求めることが出来るようになったことを意味しています。
この命令に違反した場合や、改善が見られない場合は、事業停止命令や許可の取り消しといった非常に重たい行政処分が科される可能性があります。
パターンA:許可を受けた事業計画ではA営業所に10台の車両を配置することになっていたにもかかわらず、実際には8台しか配置していない。
パターンB:事業拡大に伴い、A営業所の車両数を10台から15台に増やしたが、事前に変更認可申請を行っていない。
事業計画に記載された営業所ごとの車両数は、安全運航体制を確保するための重要な要素です。車両数の不足は輸送能力の低下を招き、過積載や無理な運行に繋がる可能性があります。また、無許可での車両数増加は、安全管理体制の不備を招く恐れがあります。
定期的に営業所の車両数を確認し、事業計画との整合性を保つ。車両数の増減がある場合は、必ず事前に事業計画変更認可申請を行う。
パターンA:事業計画では3名の運行管理者を配置することになっているが、実際には2名しか配置していない。
パターンB:運行管理者が退職したが、後任者の選任や変更届を怠っている。
パターンC:適切な運行指示や点呼が実地されていない。
運行管理者は、ドライバーの安全な運行を確保するための重要な役割を担っています。運行管理者の不足や管理体制の不備は、過労運転や安全運航の怠りに繋がります。
事業計画に定められた人数の運行管理者を常に確保し、選任・解任があった際には速やかに届け出を行う。運行管理者による適切な運行指示、点呼、記録の管理を徹底する。
パターンA:事業計画で届け出た休憩・仮眠施設が実際にはない。
パターンB:休憩・仮眠施設の広さや設備が、法令の基準を満たしていない。
適切な仮眠・休憩施設の確保は、ドライバーの疲労回復を図り、安全運転を確保するために不可欠です。不適切な施設はドライバーの健康を害し、事故のリスクを高めます。
事業計画に記載した休憩・仮眠施設を常に利用可能な状態に保ち、法令で定められた基準を満たすよう維持管理する。施設の変更があった場合は、速やかに届け出を行う。
パターンA:事業計画で定めた安全教育を実地していない。
パターンB:定期的な車両の点検・整備を行っていない。
パターンC:事故やヒヤリハット事例の分析と対策を怠っている。
輸送の安全に関する計画は、事故を未然に防ぐための重要な取り組みです。計画の不履行は、重大な事故につながる可能性があります。
事業計画に定めた安全教育、車両点検・整備、自己分析と対策を確実に実施し、記録を保管する。
上記以外にも、事業計画に記載された事業の範囲、運行系統、主要な経由地などが、実際の事業運営と大きく異なる場合も、行政処分の可能性があります。
まず、許可を受けた事業計画の内容を再確認し、現在の事業運営との間に差異がないかを把握しましょう。
事業計画の内容に変更が発生した場合は、速やかに事業計画変更許可申請を行うことが重要です。
営業所の車両数、運行管理者数、休憩・仮眠施設、安全管理体制など、事業計画に記載された内容を日々の業務において確実に遵守する体制を構築しましょう。
事業環境の変化に合わせて、事業計画を定期的に見直し、必要に応じて改善を図ることも重要です。
今回の貨物事業者運送事業法の改正は、運送事業者にとって事業計画の遵守がこれまで以上に重要になったことを示します。事業計画は単なる書類ではなく、安全で持続可能な事業運営を行うための羅針盤です。
今回、一部ご紹介した違反事例を参考に、自社の事業運営を改めて見直し、事業計画との整合性を確認してください。適切な計画変更と日々の業務における遵守を徹底することで、行政処分を回避し安全で、健全な事業運営を目指しましょう。
この記事が、事業計画の遵守強化の理解を深め、行政処分を回避すための一助となれば幸いです。
コメント